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鎌倉在住の写真家が紹介する湘南鎌倉の写真とイラストのページ
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帰国最終日は、ソウル市民美術館で開かれていた写真展を見てきました。1950年代からのソウルの街の変遷や人々の暮らしなど、市民公募の形で集めた写真をテーマや作家ごとにまとめたリアリズムな写真展でした。説明は全てハングルだけだったので、文章からは何も解読できなかったのですが、現代に近づくに従って超高層ビルが建ち並ぶ街の近代化と人々の暮らしがだんだんと豊かになってゆく膨大な数の写真は、時間差はあるものの日本の戦後復興と同じプロセスで都市が変貌することを示しており、ところどころにちりばめられた家族の記念撮影写真や子供たちの元気な姿を捉えた写真から人間の底力のようなものを感じました。
自分にとって日本の戦後復興は生まれる前のはるかかなたの出来事。それが隣の韓国では自分が生まれてからの時間軸の中で起こっていて、今でもソウルの街のところどころに残っている下町の風景に郷愁の気持ちが湧いてくるのは、復興後の過程に育った自分の子供の頃の景色を、タイムマシーンに乗って再び感じたいと思っているからなのかもしれない。

 

使用機材 : SONY DSC-HX30V, Apple iPhone 5