山の辺の道を訪ねて
15年ぶりに奈良を訪れてみました。京都・大阪・神戸には仕事で月一回くらいは来ていますが、奈良は東海道から外れるので時間と目的がないとなかなか訪問することがなく、ちょうど連休のお休みで行ってみたいところがあったので、土曜日までの約一日半を奈良大和路にて過ごしました。今回行ってみたいと思っていたところは、奈良盆地の東側の山裾を南北に走る山の辺の道(やまのべのみち)。山の辺の道は日本書紀や万葉集に登場する日本最古の道と言われ、約40年前からハイカーに人気の遊歩道になっています。ところどころに道案内の標識が立てられて歩きやすく、台風一過の好天の下、多くのハイカーで賑わっていました。
私が歩いたのは桜井から天理までの16キロコース。朝9時過ぎのJR桜井線に乗って奈良駅から桜井駅へ向かい、10時前に出発地点の桜井駅に降りました。桜井駅は近鉄も乗り入れており、近鉄桜井駅にあった観光案内センターで散策マップをもらってスタート。あぜ道・舗装道をアップダウンを繰り返しながら神社仏閣・田園・街角とさまざまな景色を楽しみながら、終点の天理駅には15時に到着しました。奈良盆地なので海の景色はありませんが、私がいつも撮っているテーマが随所にあり、とりわけ穴師のあぜ道の田園風景に綿菓子雲が浮かぶ景色が一番記憶に残ったでしょうか。それは私の幼少の頃の懐かしい憧憬の風景である昭和の景色を思い出させるからなのでしょう。
奈良夕焼け劇場へ
だいたい当初予定の時間通りに天理に到着したので、このあと奈良駅まで戻って東大寺へ。夕陽を眺めるために西向きに高いところに登りたかったので東大寺へ。16キロ歩いてもまだ撮影は終わりません。さすがに若草山まで登るには時間・体力ともになかったので、東大寺の奥で若草山の麓になる二月堂の高台へ。ここまで登ると大仏殿よりも高いので、大仏殿の屋根瓦に夕陽があたります。日没前の空から期待した通りに夕焼け空になりました。空一面が真っ赤に染まるとまでは行きませんが、ふらっと立ち寄った旅人が見る景色としては満足する夕空の景色でした。
神社仏閣ライトアップ
朝出発前にホテルのフロントにおかれていたパンフレットで、奈良の神社仏閣など数カ所で今週末までライトアップを行っていることを知り、陽が沈んでからもまだちょっと散策を楽しみました。夕焼け雲の色が抜け落ちてから、二月堂をゆっくりと降りて、うっすらと青い空が残る夜にライトアップで浮かび上がる南大門や興福寺塔へ。今日は約20キロくらいは歩いたのでしょうか。足はかなり疲れていましたが、普段とは異なる古(いにしえ)の建築物にとても癒されました。
使用機材 : Nikon D3, Nikon AF-S NIKKOR 14-24mm F2.8G ED, TAMRON AF 28-300mm F/3.5-6.3 XR Di VC , RICOH GR DIGITAL III