ホーチミンシティから成田までのフライトは約5時間。3時間ほどは眠っただろうか。ちょうど日本上空に入ったあたりで地平線の彼方が明るくなり始めて朝を迎えた。 今回のベトナム出張は比較的フリー時間があり、できるだけたくさん見れるものを見てまわったが、去年の北京の街歩きよりも衝撃的だった。 海岸線には高級リゾートホテルが建設中のものも含めてたくさんあったが、通りをはさんだ反対側にあるローカルの人が暮らす住宅地へ足を踏み込むと、写真でしか見たことのない昭和20年代の日本の景色がここかしこに広がっていた。 子供の頃につくった秘密基地のようなブルーシートの屋根にとたん壁を立てかけただけの家、黒カビにおおわれる人家の壁、ゴミが散乱する道路、なんだかよく分からない異臭などなど、普段日本で目にしている景色とは 明らかに異なる景色だったが、今後急速に発展してゆくであろうこの国にまたいつか来たいと思えるのだった。それはローカルに暮らす人々に明るさや優しさを感じたからかもしれない。
使用機材 : SONY α NEX-5, SONY E 16mm F2.8, SONY E 18-55mm F3.5-5.6 OSS