手広村と腰越村・片瀬村にかかる江ノ島道（鎌倉街道の小袋谷から江ノ島に続く分岐道）には往来が大変だった急峻な坂道がありましたが、江戸時代末期にこの付近の住民の力によって坂道を切通しにした古道があります。重機の無い当時ここまで掘り進めるには相当の労力がかかったと想像でき、また、当時の姿をそのままとどめる切り通しとしては数少ない貴重な歴史的遺産です。
　 鎌倉七切り通しには入っていない谷戸坂の切り通しは、"かまくら景観百選"に選ばれており、現在は崩落の危険性があるため通行止めになっていますが、通りから切り通しの中を覗くことができます。また、腰越側の入り口に切通しの由来を書いた石碑があります。